時をこえる思い
 第十話 龍牙作

「一度は失ったもの」 










「ところで、祐ちゃん、もうすぐ秋子の家に着くけど」

「ん? ああ……母さん、さすがに秋子さんや名雪にこのままの格好は……」

「ふふふ、わかってるって♪ 名雪ちゃんに恥ずかしいところ見せたくないくらい」

「なんか当たっているようで、違う意味合いを含んでいるような気がするのは気のせいか?」

「さて? でもちょっと名残惜しいけど……これも我が子の将来ため!」

「……母上!」

「祐ちゃん!」


 ガシ


 なんでこうなるのかはともかく、あれから水瀬家の近くまで来た後に、一葉たちはお互いを抱きしめ始めている。

 祐一は元々ノリはいいほうであるが……今回の場合、こうしないと水瀬家まで抱っこされることもありえそうだったからと裏で考えていたりもする。

 尤も半分は本気で遊んでいるだけだが。



「あらあら」


 そんな親子を見守る影が一つ。

 祐一にとってはお馴染みとも言えるポーズ――頬に手を当てて特に表情に変化は見せぬまま、多分少し驚いているのだろう姿勢をとっている。

 こうしてみると、やはりこの女性と一葉はよく似ているが、容姿で違う点を述べるとしたら以下のようなところ。

 髪型は一葉が長い髪をストレートに、そしてこの女性――水瀬秋子は長い髪を一束に三つ編みにしている点。

 髪の色はどちらも青に近いのだが、一葉はどちらかと言うと藍、秋子は蒼紫に近いと言った方が適切だろうか。

 ちなみに名雪と比べても、一葉の方がその色の濃さは少し濃い。

 後は微妙な違いなのだが、雰囲気はやはり違う。

 一葉は水瀬親子ほどの朗らかさはなく、少し二人よりきりっとした感じを受ける。

 とは言え、昔、一葉が秋子に変装して友人たちを混乱させたことがあるのだから、この二人はやはりよく似ている姉妹なのである。




「いらっしゃい、姉さん」


 さて、頃合を見計らって秋子は一葉たちに声をかける。

 どうやら玄関から顔を出したら二人を見つけたので、迎えに来たようである。

 しかし、親子の時間を邪魔したくはないので、のんびり待っていた模様。



「お、さすがはわが妹。あたしの邪魔をしなかったし、それに何も連絡しなくても玄関に出る時間がぴったりなのもさすがね♪」

「ふふ、姉さんも相変わらずですね」

(……この姉妹ってやっぱ不思議だよなあ)


 会話もどこか独特なものがあるが、祐一はこの二人のことを考えると改めて思うところが出てくる。

 祐一は過去に来る前のあの時間で、雪が降る中を急いで家に帰ってきたことがある。

 その時、玄関に急いで入り込んだ祐一の前にはタオルを持って迎えてくれる秋子がいた。

 その時も思ったし、今回も思うのだが、何でこんなに迎える時間が正確なんだろうと祐一は思う。

 勘が鋭いだけなのかもしれないが……秋子や一葉に関しては時の間で色々調べた祐一にも情報は少ない。

 プライベートなことなので思いっきり調べたわけではないのだが、それにしても情報が少なかったような気が祐一はしている。

 あのジャムの原料も未だに不明だし、やっぱり謎なところがあるなあと祐一は思うのだった。



「祐一、ひさしぶり、だよ」

「ん? おお、久しぶり」


 さて祐一が少し考え込んでいるとき、祐一のよく知る少女がひょっこりと秋子の後ろから顔を出し、祐一に朗らかに挨拶する。

 どうやら彼女――水瀬名雪も秋子を追いかけて迎えに来てくれたようだ。

 過去なのだから当然と言えば当然だが、明るく元気そうな名雪の姿。

 そんな姿を見れたことが自然とうれしく思えてきて、祐一は明るく挨拶を返す。

 昨年の夏に舞と再会したときのような喜びが、祐一の胸にはあふれてくる。

 尤も、今回は流石に気持ちを抑えることは出来ている。

 前回の教訓に加え、今は一葉や秋子の目もあるのが幸いしたのだろう。

 ちなみに、余談だが昨年の夏に名雪にあったときは実はかなり大変だった。

 周りに人がいなかったら舞の時と同じ行動に出ていたかも知れない。

 そのことを考えると、舞と会ったときに祐一が気持ちを抑え切れなかったのは、出かける前に水瀬家で気持ちを押さえ込んでいたことも案外要因の一つであったのだとも言える。



「元気そうですね、祐一さん」

「ええ、俺は元気だけが取り柄ですよ。秋子さん」

「まったくその通りね」

「一言多いぞ、母さん」

「あらあら。あいかわらずですね」
 

 さて、明るい気持ちはそのままに、秋子とも挨拶を交わす祐一。

 しかし、母に余計なことを言われたので祐一はすこし脹れながら母に抗議するのだった。

 そんな親子漫才とも言えるようなやり取りをする二人を見て、秋子の方は朗らかに微笑んでいる。

 どうやら本当に元気そうで何よりと思っているようだ。



「さて二人とも長旅で疲れたでしょう? どうぞ家へ上がってくださいね」

「シチューいっぱい作って待ってたんだよ〜。ゆっくりしてね。一葉さん、祐一」


 とは言え、さすがにいつまでも外でこんな立ち話をしているわけにもいかない。

 祐一と一葉のやりとりは、また後で楽しく見させていただこうと秋子は二人を家の中へと促す。

 そんな母に同調する形で名雪も一葉と祐一に歓迎の言葉を送っている。

 やはりこの二人が来てくれたことは、彼女にとってとてもうれしいことなのだろう。

 とてもうれしそうな表情をしている。


「おお!! 秋子さんの料理バリバリ食うぞ」

「……わたしも手伝ったのに…」


 しかし、その後の祐一の返事を聞いてちょっとだけ名雪は不満そうに呟く。

 目の前のいとこが自分を特別な女の子として扱ってくれないのは、祐一と長い付き合いの彼女にはもうわかりきっていることではある。

 しかしそれはそれ。

 やはり、自分を気にかけてほしいと思うのが……祐一を好きな名雪の正直な気持ち。

 その気持ちを隠せるほどの年齢でもこのころはない。

 自然と言葉が口から出てしまったのだ。
 
 そして、言ってからまた意地悪されちゃうのかなと内心思いながら、祐一を見つめてみる。


「そうか……よし! 皿までおいしくいただくぞ。秋子さんと名雪のおいしい手料理なんだからな」

「え…?」


 しかし、祐一から返ってきた言葉は名雪の予想外のものだった。

 こういわれてはうれしくならないはずはないのだが、いつもの祐一とちょっと違った態度なだけに驚きの方が大きくて名雪は呆けてしまっているようだ。

 さて、祐一の方は特に変わった様子はない。

 彼にしてみれば、自然にこう切りかえしてしまったようである。

 かつての祐一ならこんな風に気を回すことなどありえないかもしれない。

 しかし、今の祐一には未来に至るまでの名雪との様々な記憶がある。

 その中には名雪に負い目を感じてしまっているものも存在する。

 そして悲しみも含まれつつも、祐一にとっては何ものにも代えがたい大事な楽しかった思い出もまた存在する。

 故に、幾ばくか名雪に対して優しくなっていても不思議ではなかろう。

 いずれ調子に乗り出せば、以前のごとく名雪をからかい始めるであろうが……やはり彼女たちに対しては特にだが、調子を取り戻すにはもう少し時間を必要とするのだろう。




「お皿も確かに手作りですけど……お腹こわしますよ、祐一さん」


 さて、祐一の冗談への受け答えをする役の多い名雪であるが、今回は少し驚いてしまっているの冗談に対する対応はできない。

 よって今回は彼女の母君が代わりにその役をしてくださったようだ。

 ただ……代役としては少々強力で、夫婦漫才のようなものには発展しそうもない。


(まだ俺は侮っていたんですね……あなたを…秋子さん…)

「あらあら。それではもっとがんばってわたしのことを知って下さいね」

「えっ!?」

「祐ちゃん。口には出さなかろうとあまり秋子の前で余計なことを考えないほうがいいわよ。わが一族でも数千年に一度の逸材だから」

(どんな一族だよ? いったい何者だ!)

「あらあら」

「うふふ」


 どこまでが冗談なのか、さっぱり分からない二人を前にして祐一は頭を抱えていた。

 彼女たちにとっては単に祐一の考えていることくらい読みやすいだけなのかもしれないが……謎の多い人たちである。





「えっと…祐一、大丈夫?」


 少し困っている様子の祐一を気遣う名雪。

 状況はよくわかってないのかもしれないが、とりあえず頭を抱えている祐一を心配したのであろう。


「名雪……お前だけだよ。俺の気持ちをわかってくれるのは……」

「えっ……あ……その」


 祐一は名雪をそっと抱きしめる。

 ちなみに、自分が恥ずかしい行動を取っていることには祐一は気付いていない。

 母と叔母の謎に頭を悩ませていたことで思考を鈍らせているのが原因で、ノリで動いてしまったのか。

 はたまたここに来る前に燃え尽きたり、ずいぶん考え込んだりした後遺症で今は頭のネジが緩んでしまっているのか、判断はしがたいが――


(わあ〜、祐一やっぱりいつもと違うよ〜、あ、そうじゃなくて、でもそうだけど……と、とにかくはずかしいよ〜〜)


 ――理由はどうあれ、この行為の効果は色々起きてしまっている。

 抱きしめられた本人は先ほどのいつもの祐一らしからぬ言葉に加え、この行動、もうパニックである。

 ずっとこのいとこの男の子は好きであった名雪であるから、うれしいと言う気持ちもあるのであろうが、やはりこんな状況、しかもいきなりである。

 恥ずかしくてしょうがない。

 でも振りほどくには嫌な相手ではないし、そもそもそんな冷静に判断する余裕もない。

 実際、思考も混乱している。

 祐一がいつもと違う。

 でも今はそんなことはともかく、考えなきゃいけないことは抱きしめられていること。

 しかし、いつもと違うから抱きしめられてる。

 こんな感じに思考がループしつつ、最終的には恥ずかしさで頭の中が一杯でもうかなり顔も赤くなっているのだった。




 さて二人の親はと言うと、予想外の展開に驚きながらも実に面白そうに二人を見ている。


「ほぉ〜」

「あら? 祐一さん、名雪をもらってくれるんですか?」

「へ? …………はっ! すまん! 名雪」

「…うんっと……その…祐一だから、いやじゃなかったよ」

「え……あ、それは……」

(ドキドキしたよ〜って、わああ、恥ずかしいこと言っちゃったよーー!)


 秋子の冗談なのか本気なのかわからない一言でようやく正気に戻ったらしい祐一。

 凄い速さで名雪から離れつつ、抱きしめてしまったことを謝る。

 対して名雪はまだ混乱しているのか、つい正直に言ってしまったようだ。

 祐一はその言葉でさらに混乱してしまった。

 冷静に考えれば、過去の記憶から名雪の気持ちはわかるであろうが、まあ知っているからといってこういう実際の状況でその知識を必ずしも活用できるわけでもないのかもしれない。


「………」

「………」


 とりあえず名雪は自分が恥ずかしいことを言ったことに気づき、顔を赤くさせてうつむいてしまう。

 祐一のほうは祐一の方で、面と向かってこんなことを言われてはどうしていいかわからずに同じように赤くなってうつむいてしまっている。

 半分子どもな精神の祐一では、この類における突発的な事態には名雪と同じような行動しか出来なかったようだ。



「やれやれ……我が息子の今後はどんなものになるのやら……」


 そんな赤くなって混乱している初々しい名雪と祐一を微笑ましく思いつつ、一葉は少し複雑そうな笑みを浮かべている。

 先ほど舞や幸と会ったばかりだっただけに、彼女たちとこの姪っ子……いったい自分の息子はどんな恋愛をしていくのだろうとあきれてしまっていたのだ。

 尤も一葉の場合はあきれるだけでなく、そんな未来ならとても面白いだろうと思ってもいるのだが……。

 










 少々時間をとってしまったがしばらくしてようやく名雪も祐一も落ち着いたらしく、家の中に入り夕食を食べ始めた四人。

 ちなみに当然のことながら一葉は積極的に、秋子はしたたかに、先ほどのことで祐一と名雪をからかいながら食事をたのしむのだった。

 そんなわけで祐一も名雪も時々ゆでだこ状態になってしまい大変だった。

 しかし、久しぶりに会ったもの同士なので他の話題でも会話を盛り上げながら楽しいひと時を過ごす。

 そして、食事は終わりに向かって行くのだった。









「祐一さん、シチューいかがでしたか?」

「もちろん、おいしかったです」

「よかったぁ〜」

「他の家事ならともかく、これだけはね…勝てないわ」


 食後、久しぶりに食べた秋子の料理はやはりおいしかったらしく祐一は満足顔である。

 母を手伝った名雪としてもほっとしている様子だ。

 一葉は料理の腕は普通であるため、少々同じ主婦としてまた姉として悔しいらしく、ちょっと渋い顔をしている。



「ふふふ……さてと、名雪、お皿を台所に持って行ってくれる?」

「うん」

「名雪ちゃんだけじゃ、大変でしょ。あたしも手伝うわ」

「ありがとう、一葉さん」


 祐一の返答を聞き、自分の料理に満足してもらえたことをうれしく思いつつ、後片付けの準備に入ろうと名雪にお願いする秋子。

 名雪は素直にそのお願いに頷いてお皿を集め始める。

 いつも手伝っているためか、その行動はなかなか早い。

 また、一葉も今日は長旅で疲れているとは言えこのくらいは手伝わなくてはと名雪を手伝う。

 名雪はそんな一葉に感謝しつつ、台所へと向かう。


(あれ? そういえばいつもはお母さんもすぐに片付けるのにどうしたんだろう?)


 しかしその途中、こんな疑問が名雪の頭の中に浮かぶ。

 とは言え、とりあえず今はお皿を運んでしまおうと思ったのか、それほど気にはとめなかった様だ。



「あ、俺も手伝――」


 さて、祐一もまたこれからしばらくお世話になる身でもあるし、料理に関してはほとんど駄目な自分としてはできることといったら今も未来もこれだけなので手伝おうとしたのだが――

 
「祐一さん」

「――はい?」

「すこし、いいですか?」

「はい…?」


 ――ふと秋子に呼びかけられた祐一は何事かと不思議に思いながら反応する。

 どうやら普段は名雪にお願いしながら自分もお皿を運び始める彼女が、今日はまだ座ったままなのも祐一に言いたいことがあったためのようだ。

 

「多分、姉さんにも言われたと思いますが、何かあったら言ってくださいね。わたしでは頼りになりませんか?」

「ぜ、全然そんなことないです!!!」

 
 この人には本当に助けられたと祐一は思う。

 それは自分のことはもちろんのことだが、真琴やあゆに関しても本当に母親のような立場に立ってくれたことにはとても感謝している。

 だから、この人は祐一にとって最も頼りになる人物の一人。

 そんな人が頼りにならないはずがない。

 祐一は、その思いが素直に出てしまったかのように妙に声に力が入ってしまっていた。


「あらあら。……でも、それなら頼ってくださいね」

「………」


 秋子は祐一のそんな様子を微笑ましく思いながら、優しく念を押しておく。

 母に負けないくらい、本当に親身になって自分を思ってくれていることがよく分かるあたたかな優しい秋子の表情。

 そんな表情を見た祐一は言葉に詰まる思いを感じていた。

 母だけでなく、この人にまで心配をかけてしまっていたのかと胸が痛んだ。


(本当に……何があったというのですか? 祐一さん)


 そして、そんな祐一の表情を見つめる秋子もまた心が痛む思いを感じていた。

 だがこの思いを言葉にすれば、今は祐一を更に苦しめる気がしたので口から出そうになった問いは心に閉じ込める。 

 しかし、この祐一の表情を見ているとやはり彼を心配する気持ちが秋子は強くなっていく。

 元々秋子も去年の夏の祐一の変化のことは気にかかっていたし、一葉から時々話を聞いていてたので最初から心配はしていた。

 ただ……実は先ほどの食事の時に、秋子の心配はある意味一葉以上のものになっていたのである。

 先ほどの楽しい食事の合間に、一瞬だが祐一はとある思いを裏に秘めて名雪と秋子を見つめてしまっていた。

 その思いとは……失ってしまった当たり前に思えていた団欒の時間を再び得た事で生じてしまった狂おしいまでの喜びとその時間を失った時の悲しみ――嬉しさと悲しみが複雑に絡み合ったもの。

 祐一は変に思われないようになるべくその自分の気持ちを抑えようと努力したのだが、一瞬だけその思いがつい表情に出てしまったのだろう。

 その一瞬の表情を秋子は見てしまっていたのだ。

 自分を見つめるそんなこちらまで切なくなるような深い表情に、秋子はかなりの衝撃を受けた。

 何故そんな表情で自分を見つめるのか。

 一体その胸のうちにある思いはどんなものなのか。

 そんないろんな問いが秋子の中には浮かんできていたが、とにかくまだ八歳であるはずの男の子がこんな表情を見せるにはそれなりの理由があるはずと強く思ったのだ。

 とりあえずその気持ちに歯止めをかけ、余計に事態を混乱させないようできるだけ普通に祐一に念を押すだけにできたのは、一葉からも何か働きかけているはずと思ったことが幸いしていたに過ぎなかった。


(まさか秋子さんからも駄目押しを受けるとは……つくづく俺ってやつは……)


 対する祐一の方は今日一日で知ったことを改めて理解させられ、自分の情けなさをもう何度目だろうと思いながら感じていた。

 そして、もう心は決まっている祐一は表情に明るさを取り戻させてから秋子を改めてみつめる。


「わかっています。もし頼ることになったら、その時はお願いします」


 自らの手でやりとげたい気持ちは祐一にもまだあるかもしれない。

 しかし、今頼って欲しいと心配してくれているこの人は自分が幸せにしたい大切な人の一人。

 その人の気持ちを自分の意地のために無にすることは愚かなであろうし、悲しませるなど更に本末転倒だろう。

 また、一葉、時の番人、幸とのことで必要な時は力を借りようと言う素直な気持ちが祐一にはもう生まれてきていた。

 だから、祐一は秋子の申し出を受け入れることにしたのだ。


「……ええ、もちろんです」


 そして、祐一が自分の気持ちを分かってくれたと感じた秋子は微笑みを浮かべる。

 だが、少しだけ思うところはやはりある。

 このやり取りだけ見ても明らかに祐一の言動は普通の子どものものではない。

 つまり、安心できるまでにはまだまだ時間がかかるということ……。



 少し煮え切らない思いを一人の女性に残してしまったままだが、時間は過ぎ行き人々が眠りにつく時間となる。

 しかし、明日になればこの女性の心も少し軽くなる。

 少年は早速今日学んだことを生かし、明日には彼女たちに助力を願うことになるのだから。

 ただし、さし当たっては今夜、一人の少女と話し合うことが先決。

 そうやって少しずつ、祐一は自分の決めた道を今夜から歩いていくのである。
















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