それは、最近の事だった。


皆に奇跡が起き、皆が絶望と言う名の地獄とも言える所から抜け出し、平凡とも言える日々が戻って来た。


だが、変わってしまった事も有る。


それは、皆の集り癖だった。


最初は、名雪の言動から始まり、其処へ調子に乗った栞が入り、天邪鬼な性格の真琴が入りとどんどん追加されていく毎日だ。


そして、俺は謎とされる秋子さんの甘くないジャムが名雪によって出され、何時も其処で屈する。


だが、今日の俺は一味も二味も違う事を皆さんの前で、見せて上げます。











と言う訳で放課後、授業から開放された為(とは言っても殆どの奴が寝ていたが)、教室中が騒がしくなる。


俺が席を立ち上がった所で、名雪の声が俺を帰らせない様に留まらせる。







名雪「だお〜、祐一、百花屋でイチゴサンデ〜を奢るんだお〜」







と何時もの様に言って来る。(実際に何時もなのだから当たり前なのだが)


名雪のその発言に対し、俺も何時もの様に反論する。







祐一「名雪、部活は良いのか?」







最近は俺自身が、名雪の部活の事に関して心配になってきた。


それは至極当然だが、最近は俺にイチゴサンデーを奢れの連発だ。


その間は勿論の事、部活等に出ている時間など有る筈が無い。


名雪の取柄は走る事だ、それ以外に関しては遅いのだからそんな超人みたいな事が出来る筈も無い。


しかも、こいつは部活に出ていないのだ部長なのに(未だに走る速度以外には信じられないが)。


そんな事を考えている内に、俺の言葉に名雪が反応してきた。







名雪「だお〜、そんな事如何でも良いんだお〜、今大切なのは祐一に奢らせる事だお〜」







良いのかよ!などと、心の中で突っ込みを入れる。


それと同時に制服のポケットから携帯電話を取り出す。





祐一「さて名雪に問題です、これから俺が携帯で押す番号とは何番でしょう?」





これだけ言って解る奴が居たらそれは、普段身近にいて、尚且つ俺に同情みたく、俺の立場になって考えられる奴くらいだろう。


多分、名雪を筆頭とする真琴、栞、あゆ、舞達は絶対に解りもしない、悪気すら無いんだから。


理解出来るとしたら、美汐か香里か佐祐理さんくらいか、イレギュラーで北川と言ったところだ。


つまり俺の考えからすれば名雪はこう答えるだろう。





名雪「だお?」





考えと全く同じ答えが返ってきたのを確認すると、俺は番号を押す。


ピッ、ピッ、ポッ(110)


そう警察だ。


これに驚いている者達、この教室の者達全員。


お前等帰らないのか?と疑問が出て来るが、後々皆から聞いた答えは。


全員が全員、「何時もの相沢(君)とは様子が違ったから、様子を周りで見ていた」だそうだ。


ここで俺が言う。





祐一「名雪、ここで俺がコールを押せば、警察は此処に来て、お前達、つまりは名雪、あゆ、栞、舞、真琴は俺に対しての恐喝罪で


   暗い監獄へご招待と言う訳だ、それに俺の名前を出したらもっと罪が重くなるかもな」





俺は笑顔で言った。


その笑顔は何時もの俺の笑顔に、当社比5割増しだったそうだ。


当社とは秘密だ、知りたい人は秋子さんのオレンジを食べた方のみにお教えしよう。


無論、食べ切らなければいけないぞ、つまりは一瓶だけでなくもう何瓶も追加と言う訳だ。


こんな事を考えている俺に対して、近くに居た北川が疑問を投げ掛けて来る。





北川「何でお前の名前出すと罪が重くなるんだ?」





当然の疑問だろう、何故俺の名前を出せば罪が重くなるか。


そうそれは。





祐一「俺が警視総監の息子だからだ」





この時だけ時が止まった。


そうこの教室だけ、時間にしても解らないが。


ちなみに先程から名雪は顔を青くしていた、考えてみれば解ると思うが、名雪の単純な思考で行くと。


警視総監の息子に恐喝=罪はかなり重い=殆ど刑務所暮らし=イチゴサンデーが食べられない=好物抜き、我侭抜き=生きて行けない。


ちなみに最後の生きて行けないのは、好物を食べれない事は名雪達の思考としては死ぬも同然だろう。


付け足しで行くと、あゆ、栞、舞、真琴の思考も十分単純なので名雪の思考に各々の思考と好物を照らし合わせれば、


全員が全員同じなのである。


つまりはこれ以上奢る事は出来ないと言う事だ。


これで俺のお金は二度と恐喝で奢らせる事によっての、潤いの無いサイフとのオサラバと言う事だ。


そう二度と。





さらにちょこっと言うと、別に祐一自身が警視総監の息子じゃなくても、祐一の総資産への被害は大きい。


それだけでも十分恐喝罪で成り立っている為、結局名雪達は刑務所暮らしは免れない訳なのだ。







結果、祐一のお金は二度と奢りと言う名の脅しで無くなる事は無くなった。


余談だがその次の月から、祐一は今まで出来なかった自由な買い物は、お金が十分にある為自由な買い物を楽しんでいた。


さらに余談だがこの時、祐一の側にいる女性は三人まで減っていたらしい。


この頃、恐喝していた者達は、


「だお〜」「えうぅ」「あうぅ」「うぐぅ」「・・・」


と嘆いていた。


1名は例外な気もするが、表情は十分嘆いた顔だった。


勿論この場所は監獄だったりする。


犯罪は犯罪なのだから当たり前なのだが。


哀れと同情する事も出来ないのは、幾ら彼女達であろうと、犯罪は犯罪、罪は償うべきだ。


祐一に対しての罪の償いは暫く経ってからでないと無理な話だが。















後書き


優「K9999さんへ、HPの開設おめでとうございます」

祐一「おめでとうございます」

優「ちょこっと時間が経ちましたが、約束通り短編を遅らせて頂きます」

祐一「内容が無茶苦茶だがな」

優「祐一君、それは言わないで、これは一度ボツだったのを何とか書いたんだから」

祐一「わ、悪い」

優「二度と言わないで下さいね、余計悲しくなりますし、K9999さんに申し訳が立たないです」

祐一「それじゃ、K9999さんこれからHPの運営頑張って下さい」

優「頑張って下さいね」

祐一「それじゃあこの辺で」

優「そうですね、読んで下さってありがとうございます」

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