チュンチュン・・・

 ゆっさゆっ

 

 ピピピッピピピッ

 ピピピかちっ

 

 ゆっさゆっさ

 

 

 んー・・・

 今、目覚まし鳴ったような・・・

 

 

 

 ゆっさゆっさ

「浩之さん」

「ん・・・・・・」

 

 目覚ましを止めたのは俺ではない・・・この娘か?

「浩之さん、もう7:20を過ぎました」

「――んん・・・」

 

 

 耳あてがぼんやり見える・・・マルチか?

 

「浩之さん」

 

 あまつさえ胸も大きくなって・・・

 最近はロボットもひとりでに成長するのか?

 それとも長瀬主任・・・ロリ路線は飽きましたか?

 

「浩之さん」

 

 マルチ、随分綺麗になったな・・・髪まで伸ばして・・・目もきりりとして・・・

 

「朝です」

 

 そう、なんというか・・・

 

 

 

 

 セリオっぽいぞ。

 

「はい、セリオです。覚えて頂いてくれて光栄です」

「は? え、え? な!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある種HMXシリーズのモニターな藤田浩之

byどーが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんですとーーーっっ!?」

 眠気なんて一気に吹っ飛んじまったよ!

 え? 何? ドッキリ?

「セリオ、何!?」

「はあ、何でしょうか」

「いや、何だろう」

 朝っぱらから、なんて素っ頓狂なやり取りなんだ。

「とりあえず、勝手ながら朝食の用意をさせて頂きました。ですが先に、顔を洗ってきては如何でしょう」

「そ、そうか」

 とりあえず階段を下りて洗面所へ向かって顔を洗い、ついでにトイレも済ませる・・・て、まず最初に気がつかなきゃならんのは、何故セリオが俺の家にいるんだ!?と言う事だろうが!

 まずはキッチンにいるであろうセリオに話を・・・

 

 

 

 

 メイド

 

 

 足す事の

 

 

 エプロン着用

 

 

 くっはぁ、コンボ炸裂っ

 じゃなくて、焼き魚+大根おろし+レモン!

 朝っぱらから食欲を誘われます! しかしまた豪勢な。

 ・・・いや、価格云々ではなく、一般庶民の家庭は朝っぱらから手間かけて焼き魚なんて調理しません!

 朝飯なんて、牛乳かけて終わりだとか、夕飯の残りを適当にとか、パンと野菜適当に並べて終わりとか、そんなもんですよ?

 日本の食卓だからって朝から焼き魚が出る家庭はもうブルジョワジー以外の何者でもないさコンチクショウ!

 しかし目の前にはそんな国宝物がこの野郎!!

「あの・・・」

「どうした?」

「お口に合いませんか? ひょっとして、お魚は苦手ですか?」

「いや」

 

 一人で訳の分からない自論を繰り広げているうちに、セリオを勘違いさせたらしい。

 

「頂きます」

「どうぞ、お召し上がり下さい」

 そうか、上がって下がるのか、と日本語の不思議を考えつつ朝食に手をつけてみる。

 

 

 

 

 

 

「暖かいお茶です、どうぞ」

「お、セリオ、話が分かるね」

「はい、これからこの家でお世話になる身ですから、これくらいのことはして当然です。というか、やらせて下さい」

「なんと良く出来た娘だろうか、お父さんは嬉しいぞワッハッハって、何ですと!?」

「駄目・・・ですか?」

 セリオさん、その上目使いは反則です。

 長瀬主任、あんた、最高の萌えを理解してるよ!

「駄目な訳ないだろう」

 俺、言っちゃった!

 フラグ立てちゃった!?

 スイッチONになっちゃった!?

「あ――、ありがとうございます・・・」

 

 

 

 

 

 

 かすかに微笑んだぁーーーーーーーーーーっっ!!

 

 

 

 希少レヴェルは来栖川芹香級!

 

「それではお下げします」

 そう言って食器を下げるセリオ。

 その後姿はどことなくプリティーである。

「――〜♪ 〜〜♪ ♪・・・・・・」

 

 

 

 

 

 鼻歌までェ!?

 

 

 

 あの無表情のセリオさんはどこさいったか!? とのた打ち回るくらい、俺にはセリオが今はにかんでいるのが分かるぞ! 多分だが!

 きっと綾香ですら見たことのない笑顔がガツン「だぁ!?」

 

 くっ、足の小指をテーブルの足にぶつけるだなんて・・・

「どうしました、浩之さん」

 セリオが飛んできてくれる・・・萌えー ・・・痛てて

「いや、なんでもない」

「いえ、見せてください」

「ちょっと勝手に靴下を下ろしたら・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピーンポーン

「浩之ちゃーーーん」

 ピーンポーン

「浩之ちゃーん、朝だよー」

 ピーンポーン

「浩之ちゃん、起きてるの? 起きてったら浩之ちゃーーーん ガッチャン ・・・あれ、鍵が開いてる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 な、しまったぁ!!!!

 

「浩之ちゃん、ちゃんと起きて・・・る・・・・・・」

 

 

 

 ただ今、藤田浩之はセリオに靴下を脱がされて、セリオはその足を間近で見つめていて、そう、言うならば、メイドがこれからご主人様の足を舐めますみたいなシチュエーションだと誤解してくれと言わんばかりのアレな訳で。

 

 

「浩之ちゃん・・・どうして・・・そんなプレイが好みだったなんて・・・」

 あかり、突っ込みどころ違う。

 

「浩之・・・ちゃん・・・何してるの!?」

 どんっ

「おうわ!?」

 どさっ

「あっ」

 ふに♪

 

「・・・・・・あ、いやこれはだな、不可抗力というか」

「別に私で良ければ――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーーーーーーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――はっ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「浩之ちゃんの・・・・・・」

 

 

「まて、これはお前が」

 

 

「罵迦ーーーーーーーーっっ!!!」

 

 どがぁ!!!

 

「無水フタル酸!?」

 

 

 

 がちゃん

 どだだだだだ・・・・

「うわーーーん・・・浩之ちゃんが汚れちゃったよーーー・・・・・・」

 

 

「えー・・・っと」

 ・・・浩之さんは先に飛んでいってしまいました。

 鞄を忘れていったので、私が持っていきましょう。

 まずは制服に着替えないといけません。

 ・・・西園寺女学院の制服?

 私が着るのは、浩之さんの通う学校の制服です。

 それでは、私も出発いたしましょう。

 家のドアにちゃんと鍵をかけて・・・鍵ですか? 来栖川を甘く見ないで下さい。

 

 

 それでは皆様、ごきげんよう。

 

 

 

 


 

後書き

マルチよりセリオが好きなどーがです。

初めての方、どうも初めまして。

実はToHeartでこれだけの文字を打ちつけたのは初めてだったりします。

 

そんな作品を受け取ってくれたK9999さんの感謝します。

 

ひょっとしたら続くかも(ぇ

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