7/23 観鈴祭り










1、『五十歩百歩』


 ピカッ!

 観鈴「わわわ! 雷だよ!」
 住人「だらしねぇな、たかが雷くらいで」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 住人「地震だと! 早く外に出るんだ! 潰されて死ぬぞ!」
 観鈴「……どうして震度2で外に出るかなぁ……」






2、『風物詩』


 住人「あっちぃ……」
 観鈴「にはは、夏だもん」
 住人「クーラーないのか! クーラー!」
 観鈴「せ、扇風機なら!」
 住人「おお! スイッチオン!」

 住人「…………風が来ないじゃないか!」
 観鈴「わ、私に言われても!」

 コンセントの抜けている扇風機の前で






3、『風物詩、その2』


 観鈴「わ、わわわ!」
 住人「観鈴……なにやってんだ?」
 観鈴「せ、蝉が入り込んで」
 住人「やれやれ、じゃあまたもっていけばいいんだな?」
 観鈴「お、お願いします」

 住人「ふぅ、面倒だからもう二度と入るんじゃねぇぞ」
 観鈴「住人さんの目玉焼きがー!」
 住人「…………これは避けられないのか?」






4、『風物詩、その3』


 チリンチリン

 観鈴「はい、住人さん」
 住人「おお」

 チリンチリン

 観鈴「寝てたらお掃除できないよ」

 チリンチリン

 観鈴「もー住人さんってば!」

 チリンチリン

 住人「観鈴」

 チリンチリン

 観鈴「なに?」
 住人「壊していいか?」
 観鈴「だ、だめー!」






5、『風物詩、その4』


 観鈴「ねぇ、住人さん……」
 住人「はんだ(なんだ)?」
 観鈴「どうして醤油とんこつで素麺食べるの?」
 住人「ふまいじゃはいか(うまいじゃないか)」
 観鈴「が、がお……ゲテモノ食いだよ」






6、『風物詩、例外』


 観鈴「ふぅ、お風呂気持ちよかった」

 住人「んじゃ、俺も入るか」

 観鈴「まだ暖かいから、お湯入れなくていいよ」
 住人「わかってるって」

 ドゴーン!

 観鈴「住人さん、これも風物詩なのかな?」
 住人「毎晩の風物詩だな」






7、『微妙なプライド』


 観鈴「住人さーん、お風呂上がったよー
 住人「おお、上がったか。んじゃ、入るか」
 観鈴「わ、わわわ! ま、まだ着替えてないよ!」
 住人「今日は疲れたからなー」(わき目も振らず素通り)
 観鈴「………………」

 住人「……何故俺の飯がおにぎり一個なんだ?」
 観鈴「知らない!」






8、『言わずが華』


 住人「なぁ、観鈴」
 観鈴「なに?」
 住人「お前大学っていうところには行くのか?」
 観鈴「にはは、できれば行きたいな」
 住人「あんまり勉強できないように見えるぞ?」
 観鈴「ゆ、住人さん。今は指定校推薦とかあるんだよ! あまり頭がよくなくてもいいんだよ」
 住人「へぇ〜そうなのか。知らなかった」

 晴子「……遅刻が二桁いってるのに、もらえるわけないやろ……」






9、『勧誘』


 観鈴「そらにもう一人の自分がいるような気がして……」

 ツンツン

 観鈴「え?」
 美凪「そういう貴方に進呈」
 観鈴「天文部入部届け? あの、これは……が、がお、もういない」






10、『調理実習の謎』


 美凪「うん、美味しい……」
 観鈴「にはは、自信作だよ」
 美凪「ぐっどじょぶ」
 観鈴「じゃあ、最後に隠し味を……」

 ガシッ

 美凪「(ふるふるふるふる)」
 観鈴「だ、だめなの? ゲルルンジュース。コクがでるから、最高の隠し味なのに……」






11、『調理実習の謎、その2』


 観鈴「遠野さん」
 美凪「?」
 観鈴「これはもう入れてるけど、いいんだよね?」
 美凪「…………がっでむ」
 観鈴「と、遠野さん! え? ええ? さっきまで美味しいって食べてたのに」(どろり濃厚ピーチを隠し味として注入)






12、『需要と供給』


 観鈴「でも新作が出てるっていうことは、やっぱり人気商品なんだよね」

 自動販売機の前でこくこくと頷きながら






13、『そんな腐女子の理論武装 〜違いのわかる女〜』


 観鈴「私も考えたんだけどね……」
 観鈴「私がもう少し可愛ければ嫌われたりしないんじゃないかなぁ……」
 観鈴「で、そのためには可愛い女の子がどういうものか知っておきたくて……」

 住人「それで現役女子高生が昼間から部屋でギャルゲーか?」
 観鈴「ち、違うもん……。どらまてぃっくあどべんちゃーだもん……」






14、『そんな腐女子の理論武装 〜今年はクラナドで〜』


 住人「それにしたって今頃KanonやONEもないだろう……」
 観鈴「名作だからいいのっ!」






15、『そんな腐女子の理論武装 〜ダークが売りです〜』


 観鈴「MOONもあるよ?」
 住人「だからなんだ?」
 観鈴「住人さんもやる?」
 住人「やらん」
 観鈴「……住人さんは純愛派?」
 住人「そういう問題じゃないとだけ言っておこう」






16、『そんな腐女子の理論武装 〜the fox and the grapes〜』


 晴子「何やねん、これ」
 観鈴「えーと、まずは手始めに悪戯から」
 晴子「はぁ?」
 観鈴「湯船に味噌を入れるつもりだったんだけど、勿体無くて」
 晴子「……」
 観鈴「代わりにゲルルンジュースを入れてみたの」
 晴子「……」
 観鈴「にはは、ぶいっ」

 晴子「……居候、ちょっと」
 住人「お、俺は無関係だぞ!?」
 晴子「それを判断するのはウチや」
 住人「ぎ、ぎゃあああ!」






17、『そんな腐女子の理論武装 〜笑顔の向こう側×乙女希望〜』


 観鈴「えーと、次は……」
 観鈴「あ、これなんかいいかも……」
 観鈴「でも夏にアイス食べるのは普通だよね……」
 観鈴「う〜〜〜ん……」

 晴子「今度は何や?」
 住人「我慢大会でもやるんだろ?」

 キムチラーメンをほうばる観鈴を見ながら






18、『そんな腐女子の理論武装 〜虹〜』


 観鈴「食い逃げかぁ……。でも犯罪はダメだよね」
 観鈴「住人さんは2時間も待ってくれないだろうし……」
 観鈴「夜の学校……これならっ」

 1度立ち上がり、またすぐに座りなおす

 観鈴「これも没、と。先客さんがいるもん」






19、『そんな腐女子の理論武装 −prism−』


 美凪「くしゅんっ」
 美凪「……」
 美凪「噂されたでしょう、進呈」

 夜、天文部活動中






20、『そんな腐女子の理論武装 〜虹をみた小径〜』


 観鈴「が、がお……。これは流石に……」

 ワッフルを片手に






21、『そんな腐女子の理論武装 〜研究結果〜』


 お客「新刊3冊お願いします」
 お客「握手してください」
 お客「すいません。スケブはやってますか?」
 お客「サインいただけないでしょうか?」

 観鈴「にははっ、観鈴ちん人気者♪」

 夏休み。某有明の壁際にて。






22、『涙の理由は』


 観鈴「うぅ……がお」
 茂美「神尾さん、どうしたの?」
 観鈴「あ、川口さん(ごしごし)……あのね、朝起きたら部屋の中に可愛いカラスさんがいたの」
 茂美「(可愛い……のかなぁ)それで、何かされたの?」
 観鈴「嬉しくて触ろうとしたら、逃げちゃったの……」
 茂美「それが悲しかったの?」
 観鈴「ううん……開いてた窓から蚊が入ってたみたいで、体中が痒くて痒くて……(涙)」
 茂美「……えっと(汗)」






23、『悲しくて悲しくて』


 観鈴「うぅ……がお」
 茂美「神尾さん、どうしたの?」
 観鈴「あ、川口さん(ごしごし)……あのね、武田商店の前の自動販売機が変わっちゃったの」
 茂美「好きなジュースがあったの? もう飲めなくなっちゃった?」
 観鈴「ううん、中身はそのままで全部ペットボトルになったの」
 茂美「……? だったらどうして……」
 観鈴「ゲルルンジュースがちゅーちゅーできなくなっちゃった……」
 茂美「……えっと(そ、その嫌な名前は一体?)」





24、『幸せいっぱい、夢いっぱい』


 観鈴「うぅ……がお」
 茂美「神尾さん、どうしたの?」
 観鈴「あ、川口さん(ごしごし)……あのね、昨夜往人さんとお話しようとしたの」
 茂美「(往人さん……この前の電話の人かな?)それで、何か言われたの?」
 観鈴「ううん、何も言われなかった……」
 茂美「……? だったらどうして……」
 観鈴「何を言っても上の空で……一万円札を持ってにたにた笑ってるの」
 茂美「……えっと(あ、危ない人だったの?)」






25、『例えるなら持久走』


 観鈴「うぅ……がお」
 茂美「神尾さん、どうしたの?」
 観鈴「あ、川口さん(ごしごし)……あのね、昨夜お母さんと往人さんの酒盛りにつき合わされたの」
 茂美「(往人さん……例の危ない人だったわね)もしかして、無理やり飲まされたの?」
 観鈴「ううん、私はジュースだったの……」
 茂美「……? じゃあ、絡まれたの?」
 観鈴「それも違うよ……ただ、全然寝かせてくれなかっただけだから」
 茂美「……えっと(お母さん、そんなことで良いの!?)」






26、『腕前は名医』


 観鈴「うぅ……がお」
 茂美「神尾さん、どうしたの?」
 観鈴「あ、川口さん(ごしごし)……あのね、昨日掛かりつけのお医者さんに行ったの」
 茂美「(お医者さん……たぶん霧島さんよね?)病院ってことは、何か病気にでもかかってたの?」
 観鈴「ううん、病気自体はただの夏風邪だったんだけどね……」
 茂美「大事にしてね。無理しちゃだめだよ? ……つまり、それで苦しかったの?」
 観鈴「ううん、風邪自体はもう治りかけてるから……思い出してたの。入院しなくていいって言ったときの先生の残念そうな顔」
 茂美「……えっと(私もあの先生に掛かってるんだけど……どうしよう)」






27、『あるいはこんなみすずちん』


 観鈴「わぁ、つがいのカブトムシだ……」
 観鈴「二人とも仲がいいんだよね」
 観鈴「私と住人さんも皆からそう観られるのかな……?」
 観鈴「もしかしたら、夫婦だと思われたりして……」
 観鈴「が、がお! いいかも!」

 晴子「なんや? あんたここで何しとるんや?」
 住人「今は絶対に家に入るな。いいな!」






28、『二分後に君が来なくとも』


 観鈴「うぅ……がお」
 茂美「神尾さん、どうしたの?」
 観鈴「あ、川口さん(ごしごし)……あのね、昨日『友達増えるかな』って思って部活探してみたの」
 茂美「(以前はなぜか泣き出して友達ができなかったって言ってたわね)良い考えじゃない。でも、どうして泣いてたの? 入れなかった?」
 観鈴「ううん、天文部に行ったら喜んで歓迎しますって言ってくれたの。入部祝いまで貰っちゃった」
 茂美「良かったじゃない! でも、それなら尚更不思議なんだけど……」
 観鈴「うん、実はね……その入部祝いにお米券を貰ったんだけど、急いで食べないと悪くなっちゃいそうな量だったから……」
 茂美「……えっと(……一気に全部引き換える必要はあったのかしら?)」






29、『101回目の1号さん』


 佳乃「きみをお友達1号さんに任命するよっ♪」
 観鈴「ほ、本当に!? 本当に私が1号さん!?」
 佳乃「ずっと仲良しでいようねぇ」
 観鈴「う、うんっ!」

 後日。別の生徒の前で

 佳乃「きみをお友達1号さんに任命するよっ」
 観鈴「え、えぇ!? 私は!?」






30、『労働と報酬 芸術家(?)ver.』


 観鈴「うぅ……がお」
 茂美「神尾さん、どうしたの?」
 観鈴「あ、川口さん(ごしごし)……あのね、昨日休みだったから、往人さんのお手伝いしたの」
 茂美「(往人さん……個性的な人だっていうのはよくわかるけど、どんな人なんだろ?)それで、何かあったの?」
 観鈴「ううん、何もなかったよ……」
 茂美「……? だったらどうして……」
 観鈴「ただ……お金を稼ごうとしても稼げない人っているんだなぁ、って」
 茂美「……えっと(……一体どんな3K仕事をしてるんだろ?)」






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