12/6 美汐祭り










1、『(Kanon)の天野美汐』


 美汐「……これが……私?」

 ドラマCD『水瀬さんち』を聴きながら。






2、『(水瀬さんち)の天野美汐』


 美汐「……これが……私のハッピーエンド♪」

 DC版『Kanon』真琴ルートをやり終えてから。






3、『みっしー頑張り記』

 美汐「いつもいつも私をおばさんくさいと……それなら……」

 祐一「で、弓道部? それはおばさんくさいというよりは……なんというか、な。違う意味で似合うな」
 美汐「……何かすっごく悪意を感じますが……」






4、『みっしー頑張り記、二項』


 美汐「……迂闊でした……まさか、まさか……」
 祐一「弓道は日本人体型がよくあうからな。その形式上としてな」
 美汐「……」
 祐一「睨むなよ。わかってて入ったんだろう?」
 美汐「……」






5、『みっしー頑張り記。外伝明かされた真実』


 祐一「弓の弦がな、胸の大きい人は当たるらしいからな……ま、心配ないか」
 美汐「……退部します。ええ、退部しますとも!」






6、『みっしー頑張り記。終章(唐突なのは仕様です)』


 美汐「……やはり帰宅部でいいです……はい……」
 祐一「無難だな」
 美汐「そもそも相沢さんが! 相沢さんがぁぁあぁぁっ!」
 祐一「逆切れするんじゃねえ!」






7、『肉まんノスタルジア』


 美汐「あの子も……肉まんがとても好きだったんです」
 祐一「そっか……」
 美汐「特にホテルでしか買えない一個二百円の肉まんしか食べない子で……」
 祐一「……甘やかしてたんだな、天野。ホントに」
 美汐「失礼ですね。溺愛していたんです」
 祐一「よく分かったからよく分かったから。だから睨むな睨むな」






8、『おもひで』


 美汐「あの子の写真も、一杯撮ってあるんですよ」
 祐一「大事な思い出、だもんな」  美汐「はい、ちゃんとアルバムもあります」
 祐一「いつか、見せてくれるか。俺と真琴の写真なんて、一枚ぐらいしかないんだ」
 美汐「いま御覧になりますか? 御見せできますよ?」
 祐一「なら見てみたいな」
 美汐「はい、これです」
 祐一「まて、天野。何故持ってる?」
 美汐「いつも持ち歩いてますから」
 祐一「……はぁ……」

 通学鞄と同じ大きさのアルバムを眺めつつ。






9、『個性の危機』


 美汐「……」
 茜 「……」
 美汐「……」
 茜 「……」
 美汐「……」
 茜 「……」

 二人(同じゲームにいなくて良かった……)





10、『貞操の危機』


 美汐「……」
 美凪「……」
 美汐「……」
 美凪「……」
 美汐「……」
 美凪「……ぽっ」

 美汐(同じゲームにいなくて良かったです。それはもう、切実なほど)






11、『先輩と呼ばないでっ』


 栞 「あ、美汐先輩〜帰るところですか?」
 美汐「栞さん、歳は同じなのですから先輩は……」
 栞 「駄目ですよ。私、留年しちゃったんですから。ね、美汐先輩」
 美汐「……いえ、栞さんに悪意はないんでしょうが……」
 栞 「ならいいじゃないですか。先輩」
 美汐「はぁ……」






12、『頭痛の種』


 祐一「よかったな、天野。先輩だとよ。同い年で先輩と呼ばれる気分はどうだ?」
 美汐「……とりあえず、相沢さんの口を糸で留めたいです」
 祐一「……いや、据わった目でな。糸と針を持たれるとな。怖いからやめような?」






13、『密かに心に』


 美汐「(…………あの人よりは外見は……)」

 香里「うん?」
 名雪「どうしたの? 香里?」
 香里「変ね。なんかへんな視線と失礼なことを感じたような気がしたんだけど……気のせいかしら」






14、『品評会』


 美汐 「……」
 香里 「……」

 祐一 「むぅ……」
 潤  「ぬぅ……」

 男二人「引き分け?」
 女二人「何が!」






15、『いまどきの女子高生その1』


 祐一「……何の真似だ?」
 美汐「これがいまどきの女子高生なんだそうですよ」
 祐一「食い逃げが、か?」
 美汐「その後相沢さんを巻き込むところまでが、です」

 全力疾走しながら。






16、『いまどきの女子高生その2』


 美汐 「綺麗な髪ですね……」
 みさき「そう言ってもらえると嬉しいよ〜♪」
 美汐 「もしよろしければ、お使いのシャンプーなど教えて頂けませんか?」
 みさき「え、えっとー……う〜ん……。ごめんね、ちょっとわからないや」
 美汐 「そうですか……。ではその、次に、ですね……」
 みさき「うん、何かな?」
 美汐 「い、いえ、あの……。や、やっぱり何でもありません!」
 みさき「え? あれ? 美汐ちゃん?」
 美汐 「すいません! 失礼します!」

 胸の大きさについて質問したかったことは秘密である。






17、『いまどきの女子高生その3』


 美汐 「これは……」
 佐祐理「あははーっ♪」
 栞  「えぅ……」
 美汐 「どちらをお手本にすれば良いのでしょうか……」

 あっという間にコツを掴む佐祐理。
 いつまで経っても上達しない栞。

 佐祐理「あ、これも簡単そうですねー♪」
 栞  「こんなゲーム作る人だいっきらいです!」
 美汐 「……」

 某月某日、ゲームセンターにて。






18、『いまどきの女子高生その4』


 佳乃「キミをお友達3号に任命するよっ♪」
 美汐「すいません。私には無理です」

 正反対の性格が敗因と見ている。






19、『いまどきの女子高生その5』


 美汐「これも……ぜーっ、はーっ……無理です……ぜーっ、はーっ……」

 平気な顔で走り続ける陸上部部長を横目で見ながら。






20、『いまどきの女子高生その6』


 美汐「元から少ない交友関係を更に狭めてどうするんですか」
 観鈴「そ、そんなぁ……」

 見向きもされない神尾観鈴。






21、『いまどきの女子高生その7』


 舞 「牛丼大盛り」
 美汐「あ、お水ではなくお茶を頂けますか?」
 舞 「つゆだく、ねぎ多め」
 美汐「すいません。お味噌汁追加で」

 祐一「見てるとさ……やっぱりどうも差があるんだよなぁ、言動に」






22、『いまどきの女子高生その8』


 美汐「まだ寝ていると思わしき男性の部屋に入り込みその無防備な寝顔を見て悦に入った挙句おはようございますと挨拶をして同時にその第一声を独り占めにし果ては出かける支度から着替えの手伝いまでとり行うだなんてとてもじゃありませんが不可能です」
 瑞佳「えっと、その……。無理しなくて良いと思うよ?」
 美汐「いいえ、やります。せっかくですからやりますとも」
 瑞佳「が、頑張って」






23、『いまどきの女子高生その9』


 美汐「……申し訳ありませんが、貴方から学ぶことはなさそうです」
 香里「は?」

 妙に大人びた先輩と、物腰の上品な後輩と。






24、『いまどきの女子高生その10』


 浩平「いや、迷惑かけて悪かったなぁ」
 美汐「いえ、迷惑だなんて。素直に付いてきてくれて助かりました」
 浩平「繭が素直に? へー、珍しいこともあるもんだ」
 美汐「今度からは目を離さないであげてくださいね。迷子になると心細いものですから」
 浩平「おう、気をつけるよ。でも本当にありがとな。ほら、繭、お前もお姉さんに挨拶」
 繭 「みゅ。ばいばい」
 美汐「はい、さようなら」

 二人の背中を見送ってから、天野美汐は帰路についた。






25、『いまどきの女子高生FINAL』


 真琴「美汐ー、本読んでー」
 美汐「はいはい。ちょっと待っててくださいね」
 真琴「……何作ってるの?」
 美汐「肉まんですよ。出来上がったら一緒食べましょう」
 真琴「ほんとっ!? わぁ、美汐大好きー♪」
 美汐「あ、ちょっと、真琴っ。危ないから抱きつかないでっ」
 真琴「はーい、座って待ってまーす♪」

 祐一「……非の打ち所がない保護者ぶりだな」
 美汐「そうですね。我ながら母親みたいです」
 祐一「いまどきの女子高生っていうのは止めたのか?」
 美汐「ええ。私はやっぱりこういう方が得意ですから」

 3人分を作りながら、とっても楽しそうに笑っていましたとさ。






26、『和食万歳洋食卑下』


 祐一「オバちゃん、俺。Bランチ」
 名雪「わたしはAランチ〜」
 潤 「オレはラーメンにでもすっか」
 香里「あたしもたまには蕎麦でも食べようかしら」
 栞 「私もおねえちゃんと一緒にしますね」
 祐一「天野は?」
 美汐「私はA定食で」
 祐一「へ?」
 美汐「A定食で」






27、『決まりごと』


 祐一「ほら、真琴。狐うどん」
 真琴「あぅーどうして?」
 祐一「自分で考えろ。俺は素うどんだしな」
 美汐「……相沢さん?」
 祐一「ん?」
 美汐「どうして私がタヌキうどんなのですか?」
 祐一「自分で考えろ」






28、『一緒に考えよう』


 真琴「祐一。美汐は緑じゃないわよ?」
 祐一「緑?」
 真琴「ほら、赤いキ○ネと緑のタヌ○ってテレビで……」
 祐一「なるほど。確かに……」
 美汐「貴方たち……」






29、『あったかもしれないこんな話』


 美汐「一体何を考えているんですか!?」
 祐一「だ、だから冗談のつもりだったんだってば……」
 美汐「冗談で済む問題ではありません! これはれっきとした犯罪ですよ!?」
 祐一「んな大げさな……」
 美汐「信じられません! 相沢さんには一般常識といったものがないんですか!?」
 祐一「いや、だからさ……」
 美汐「本当にもう!」

 美汐「未成年の女の子にいかがわしい本を買いに行かせるなんて非常識にも程があります!」






30、『詩』


 まいまいまい 丘をまい

 くるくるくる 丘にくる

 ちいさなちいさなものがたり

 りんりんりん 鈴がリン

 さらさらさら 風がさらっ

 ちょっとしたおはなし きつねのおはなし

 はじまり はじまり


祐一「…………」


 無言でえほんを手に






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