3/1 かおりん祭り










1、『食べ物談義』


 祐一「唐突だが、名雪はいちごだよな?」
 名雪「うみゅ?」
 祐一「あぁ、イメージだ。イメージ」
 名雪「ふ〜ん。じゃあ。祐一はカレーだね」
 祐一「なんでだよ?」
 名雪「よくカレーばっかり食べてるからだよ」
 祐一「そ、そんなに食っていたか……」






2、『続き』


 潤 「んじゃ、オレはなんだ?」
 祐一「いや、わからん」
 潤 「おいおい、なんだよそりゃ」
 祐一「考えてみれば、お前はそんなに特徴的なものないからな」
 潤 「ま、そういわれればそうだよな」
 祐一「ああ」
 香里「それじゃあ、あたしは?」
 二人「昆布」
 香里「は?」






3、『口は災いの元』


 祐一「……ごめんなさい」
 潤 「……すみません」
 香里「よろしい」

  仁王立ちしている香里の前で這いつくばる二人。






4、『配慮が足らない人』


名雪「違うよ二人とも〜。昆布じゃなくて若布だよ〜』






5、『制裁は財布の口』


 名雪「う〜……わたしのイチゴサンデー。極悪だよ……」
 祐一「いや、お前が悪い」
 潤 「水瀬が悪い」
 名雪「うーうー」
 香里「……(もくもくと食す)……」






6、『お風呂場にあるもの』


 香里「……迂闊だったわ……」

 妙にすすけて見える背中がちゃーむぽいんと






7、『美坂香里減量――もとい、ダイエット記録』


 香里「と、いうわけで、元凶たるあんたに手伝ってもらうわよ」
 名雪「別にいいけど……香里、大丈夫?」
 香里「当たり前じゃない。わたしはどこかの後輩とは違うのよ」
 名雪「だったらいいんだけど……」

 香里「や、やっぱり……無理……」
 名雪「だから言ったよ……」

 トラック20週した後に記す。






8、『美坂香里げんりょ――もとい、ダイエット記録』


 栞 「お姉ちゃん。あいすくり――」
 香里「そんなものいらないわよっ!」
 栞 「え、えぅっ!?」

 やつあたり。






9、『美坂香里げんり――もとい、ダイエット記録』



 観鈴「あ、あの……ご飯食べないと……」
 香里「何よっ!」
 観鈴「が、がお……」

 やつあたりその2。






10、『美坂香里減――もとい、ダイエット記録』


 香里 「……憎しみで人を傷つけられたら……」
 みさき「ん? なにかな?」
 香里 「いいえ、なんでも」

 山と詰まれた食料品の山を見て。






11、『美坂香里げ――もとい、ダイエット記録』


 香里「……ふぅ、走りこみも終り。疲れたわ」
 茜 「疲れた後は甘いものがいいですよ?」
 香里「あら、ありがとう。美味しいわね、これ。何かしら」
 茜 「ハチミツ入りの練習ワッフルです」

 かおりんの手からワッフルが零れ落ちた。






12、『美坂香里ダイエット記録』


 香里「や、やっと元に戻ったわ……」
 名雪「もう。あんなことするからだよ」
 香里「そうね。二度としないわよ……」
 名雪「わかればいいんだよ」
 祐一「そもそも原因は名雪だけどな」
 名雪「あ……」
 香里「……」






13、『美坂香里ダイエット記録・番外』


 往人「遠野。あれだけあったお米券はどうしたんだ?」
 美凪「……若布さんにゆずりました」
 往人「若布?」
 美凪「はい。なんでも減量なさっているとかで」
 往人「……米とか炭水化物の方が太るんだがな」
 美凪「しってますよ」
 往人「ちょっとまて。ということは、お前……」
 美凪「飛べない翼に意味はあるのでしょうか……」






14、『通じるもの』


 聖 「佳乃。ちゃんと歯は磨いたか?」
 佳乃「あたりまえだよお姉ちゃん。私はそんなに子どもじゃないよぉ〜」
 聖 「いや、姉から見れば、いつまでも子どもだと思ってしまうのだ」

 栞 「……」
 香里「……」
 栞 「……」
 香里「……いつまでも子どもね」
 栞 「そ、そんなこというひと嫌いです!」

 お風呂場での微笑ましいワンカット。






15、『立場逆転』


 聖 「佳乃。そこは違う。ここをこうして……」
 佳乃「あわわわ! む、難しいよぉ」
 聖 「大丈夫だ。慣れればいい」

 栞 「お、お姉ちゃん! 火、火を止めて!」
 香里「え? あ、あぁぁぁぁあ!」
 栞 「包丁持って動かないで!」
 香里「あ、ご、ごめんなさい」
 栞 「鍋、鍋ーー!」
 香里「きゃーー!」

 台所は戦場です。






16、『眼鏡っ娘率0%』


 香里「似合うとしたらまあ、あたしくらいよね」

 眼鏡を手に。






17、『下心あれば萌心』


 祐一「香里が水泳部だって聞いてさ」
 祐一「俺は写真部に入ろうとしたんだよ」
 祐一「ほら、名雪は陸上部だし」
 祐一「それでお前達の青春を記録し――」

 香里「言い残すことはそれだけかしら?」

 恐ろしきこと鬼のごとく。






18、『3対1でも』


 香里「ま、こんなところしら」
 祐一「……」
 北川「……」
 名雪「……」

 テスト返却日の出来事。






19、『助っ人』


 祐一「久瀬! ちょっと来い!」
 久瀬「な、何なんだね一体! まずは理由を説明し――」
 祐一「いいこら来い! 来るんだ!」

 テスト返却日の放課後。






20、『かおりあんじょーく』


 香里「あ、上月さん」
 澪 『びくぅ!』
 香里「あらどーしたの今にも泣きそうな目しちゃって別に取って食おうってわけじゃないんだからこっちへいらっしゃい大丈夫怖がることなんて何もないわもうすぐにでも気持ちよくして――」
 澪 『だっしゅ!』

 だだだだだだだだだっ。

 香里「――って。あー、逃げられちゃったわね。軽い冗談だったのに」

 ニヤリ、と。






21、『妹はみな病弱で』


 浩平「元々病弱でな。だいぶ前に死んだよ」
 聖 「病気とは違うが、精神的な障害のようなものかな」
 香里「不治の病そのものね。誕生日までは生きられないって」






22、『成績の上端と下端』


 祐一「ときに香里。追試を受けたことはあるか?」
 香里「何よ、それ。美味しいの?」






23、『どっちが好き?』


 栞 「犬と猫だったら?」
 香里「猫。飼い主に従順なだけじゃ今の世の中生きていけないわ」
 栞 「鳥と魚とか」
 香里「両方好きね。海路も空路も一長一短」
 栞 「キツネとタヌキ」
 香里「両方嫌い。他人を騙すなんて最低よ」
 栞 「……やっぱりお姉ちゃんは変だと思う」
 香里「え、どこが?」






24、『どっちがお好み?』


 栞 「……じゃ、祐一さんと北川さん」
 香里「ノーコメント」
 栞 「な、何ですかソレ! 卑怯ですよっ!」
 香里「ご想像にお任せするわ」
 栞 「むぅ」

 カレンダーに目を向ける。
 間近に迫るホワイトデー。






25、『理系or文系』


 香里「相沢くんはどっちにするの?」
 祐一「文系。数学が苦手だから」
 香里「ふ〜ん。名雪は?」
 名雪「わたしも文――」
 祐一「決まってるだろ。体育会系だよ」
 香里「そうね。この娘は年中走ってそうだわ」
 祐一「しかも遅刻寸前でな」
 香里「確かに」
 名雪「…………」






26、『日本語教室』


 名雪「二人とも極悪だよ。極めて悪いと書いて極悪だよ」
 香里「そんなこと言ってるから体育会系って言われるのよ」






27、『風邪を引いた朝』


 栞 「ふふふっ、いつもと立場が逆ですね」
 香里「そーねー」
 栞 「体温は……まだ下がってないみたいですね。ちゃんと寝てなきゃダメですよ、もう」
 香里「わかってるわよ」
 栞 「あ、お粥とうどんだったらどっちがいいですか?」
 香里「どっちでもいいわ。……ねぇ、そんなことよりも栞?」
 栞 「はい、何ですか?」
 香里「何で相沢くんがあたしの部屋にいるのよ!?」
 祐一「おー、お邪魔してるぞー」

 ベッドから少し離れたところで手をあげる祐一。






28、『風邪を引いた昼』


 栞 「だって私一人じゃ何かあったとき心配じゃないですか」
 香里「何かって何よ!? むしろアレのせいであたしの頭が何かなりそうだわっ!」
 祐一「アレってドレだ?」
 栞 「ソレじゃないですか? お姉ちゃんの日記帳」
 香里「こ、こらっ、相沢くん! 見るな! 触るな! 近づくなぁ!」
 祐一「おいおい香里、本当に風邪か? ものすごく元気そうだぞ?」
 香里「今すぐその口を閉じなさい! さもないとあなたがベットで寝ることになるわよ!?」
 栞 「祐一さん、ちょっとお姉ちゃんを止めてもらえませんか?」
 祐一「ん、任せろ。軽く押し倒せばいいんだな?」
 香里「だから何でそーなるん――」
 栞 「やっぱり男の人は頼りになりますねー。祐一さんに来ていただいて正解でした♪」
 香里「ちょっ、人の話を聞けぇ!」






29、『風邪をひいた夜』


 香里「あ、熱下がってる」

 暴れまわって汗をかいたのが原因だと思われます。






30、『雪と共に……』


 見上げることを嫌っていたわけでない

 見下げることを好んでいたわけでない

 手をとることが嫌いだったわけじゃない

 手を放すことが好きだったわけじゃない

 だから……

 「おそいよ〜」

 「いまいくわよ」

 ……自分に正直に






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