里村茜は甘いモノが大好物だったりする。

それはもう、日常の至る所に浸透してしまっているくらいに。

蜂蜜、練乳、何でもござれ。

市販のモノでは満足できず、自分で作っているうちに、料理のスキルを身につけたほどなのだから。

その執念たるや、十年来の親友にして幼馴染の柚木詩子でさえも、一歩引いてしまうくらいである。

長年付き合っている幼馴染ですらそうなのだ。

付き合いの短い人間なら、況や、である。

けれど、だからといって、彼女の嗜好が変わるわけでもなく。

昨日までの彼女も、今日の彼女もそうだったように。

明日以降の彼女も、やはり、そうなのだろう。















相沢祐一は甘いモノが苦手だったりする。

それはもう、コーヒーにも紅茶にも、何も入れないくらいに。

甘いモノが全く食べられないというわけではないが、進んで食べたくはないのだ。

市販の甘味モノを、お金を出して買うなど、まずあり得ないこと。

彼の長年の親友であり、また同時に悪友でもある折原浩平はそうでもないのだが。

けれどその悪友は、何かというと彼に甘いモノを食べさせようとする。

苦手を克服させるためなのか、それとも単なる嫌がらせか。

まぁ、十中八九後者だろうが。

ともあれ、そんな風にムリヤリ甘いモノを食べさせられたとしても、彼の嗜好が変わるわけもなく。

昨日までの彼も、今日の彼もそうだったように。

明日以降の彼も、やはりそうなのかもしれない。










そんな両極端の位置に嗜好が存在する2人。

そんな2人が出会ってしまって。

あまつさえ、良い仲になってしまったりしたら。

さてさて、一体どうなるんだろう?



甘いモノが結構好きって人と、あんまり好きじゃないって人なら、折り合いがつけられるだろうけど。

けれどこの2人は、“結構”とか、“あんまり”とかのレベルじゃなかったりするのだ。



絶対値はほとんど同じ。

ベクトルは正反対。

どうにもこうにもならないレベル。





そんな2人の、こんな1日……















甘いモノはいかがですか?
















――ミーーンミンミンミンミン……――


季節はまさに夏真っ盛り。

この季節にしかその存在をアピールできない、またそれ故に強烈な印象を残してくれる、セミという生物の大合唱。

地上に出てくるまでに数年、大地の下での生活を余儀なくされ、にも関わらず、地上に出てからは数週間しか生きられない。

そんな不条理に反発するかのような、生命を全てつぎ込んだ彼らの声が、幾重にも折り重なり、まさに合唱となっている。

コーラスなどで、声の違う人間が大勢いるのに、一斉に歌えば、それらが混ざり合って、1つの声になるように。

彼らの声も、1つの声に聞こえる気がする。

求愛行動らしいのだが、これだけ似たような声の中で、雌はちゃんと違いが分かるのだろうか?

たまに、勘違いしたりして、大したことのない声の持ち主のところに行っちゃったりすることはないのだろうか?


「どう思うよ? 茜?」

「知りません」


つれない返事。

まぁ、無理もないだろう。

なぜなら……


「なぁ、茜……」

「祐一……口を動かす暇があるなら、手を動かしてください」

「だってさぁ……」

「問答無用です。泣きついてきたのはあなたでしょう? 真面目にしないのなら、協力はなしと……」

「さぁ! さっさと終わらせようじゃないか!」


皆まで言わせず、ノートに向かう祐一。

どうにも空元気なのだが、茜は軽くため息をつくと、それを気にした風もなく、再び参考書へと目を戻す。



ちなみにここは里村宅。

まぁ、早い話が茜の家だ。

なぜ祐一がここにいるのか、というと、話は昨日の夜に遡る。










「茜! 頼む、助けてくれ!」


そんな言葉から始まった、祐一からの電話。

受話器を持つ茜も、その声から只事ならざる何かを感じ、自然にその手に力が入る。


「どうしたんですか? 一体何が?」


真剣な眼差しで(ただし、もちろん祐一に見えるわけもないのだが)、祐一に問いかける。

付き合い始めて、まだ日は浅い。

それこそ、幼馴染から彼氏彼女へとシフトしていった、浩平・瑞佳の付き合いの長さに比べれば、まだまだ遠く及ばない。

けれど、想いの強さで負けることはない、という自信はある。


「あぁ……実は……」

「……」


思わず、ごくりと喉が鳴る。

緊張の一瞬。


「……宿題がわからないんだ……」

「……は?」


宿題……ずいぶんと耳慣れた言葉だ。

どんな言葉が出てくるかと思いきや……

茜は、怒りよりも先に呆れがやってきた。


「いや、8月を遊び倒すために、7月中に終わらせようとしたんだけどさ、もう難しくって……」

「それで……私にどうしろと?」


明らかに脱力した風情で(もちろん、祐一には見えないが)、それだけを言葉にする。

文字通り、“呆れてものが言えない”状態だ。


「わかってるだろ?」

「……そうですね」





そう……祐一はこういう人間だった。

基本的には無害なのだが、1つ1つの行動が大げさなのだ。

ただの日常も、彼にかかれば一大スペクタクルへと変貌し得る。

同じクラスの折原浩平と彼が協力すれば、不可能はない、という逸話まで生まれていた。

人並みはずれたその行動力は、止まるところを知らない。

周囲の人間は、その恩恵をうけることも、とばっちりを受けることも、多々ある。

平凡な学生生活に、刺激と潤いと彩とその他色々を与えてくれる彼らは、あらゆる意味で稀有な存在だ。

とりあえず、学校中の人気者には違いない。

しかし、遠くから眺めるだけの者と、日々彼らの傍にいる者とでは、状況が違う。

それまでほとんど面識のなかった瑞佳と茜が、突然親交を深めることになったのは、間違いなく同じ境遇に対する共感からだろう。





「じゃ、明日の朝10時半くらいに行くからさ。頼むな」

「……まだ引き受けるとは言ってませんが」

「おみやげに山葉堂のワッフルを……」

「明日の10時半ですね。わかりました」


即答。

甘いモノに目のない茜にとって、これ以上ない有効な言葉だった。





「じゃあ、また明日な」

「はい……あ、ちょっと待ってください」


しばらくとりとめのないことを話していたが、時間も遅いので、切り上げようとする祐一。

その祐一の言葉を遮ったのは茜。

茜の声には、何やら真剣な響きがあった。

思わず、祐一も表情を引き締める。


「……何だ?」

「……ワッフルは、蜂蜜練乳ワッフルでお願いします」


がっくり……と。

そんな擬音が聞こえてきそうなほどに、肩を落とす祐一。


「……あのなぁ」

「仕返し、ですよ」


クスクス……と。

受話器の向こう側から耳に届く茜の忍び笑いに顔をしかめた祐一だが、仕返しと言う言葉に、思わず苦笑してしまう。


「オッケー、蜂蜜練乳ワッフルだな」

「お願いしますね」

「あぁ。じゃ、また明日な」

「はい。おやすみなさい」










とまぁ、このようなやり取りがあったのだ。

そして、朝から勉強を始めたものの、元々勉強が好きではない祐一が、何時間も集中してやれるわけもなく……

冒頭の逃避行動に至るというわけである。


「なぁ、茜。ここはどうやるんだ?」

「それは……」


とは言え、8月を遊び倒すためにも、ここは踏ん張りどころ。

祐一の心にも、遅まきながら火がついた。

途中、茜の母親が出してくれた昼食を食べる暇も惜しんで、膨大な量の宿題を片付けていく。

それはそれで良いことなのだが、その原動力が遊びであるというのは如何なことか。

およそ先生の意図と異なる形での宿題の消化の様子に、茜も苦笑してしまいたくなる。

実際に笑ったりはしなかったが。










「終わったぁーー!」


ばたっ……と、後ろに倒れながら、祐一が開放感に溢れた言葉を発した。

その顔には、隠しきれない喜びがあった。


「そうですね、あと少し残ってますけど、この程度ならすぐに終わるでしょうし」


とんとん……と、教科書や参考書を揃える茜。

大雑把に放ってある祐一とは、実に好対照だ。

祐一は、しばらくそのまま開放感を堪能していたが、徐に起き上がり、茜に声をかける。


「ホント、ありがとな、茜。助かったよ」

「どういたしまして」


その言葉に、茜は微笑で返す。

茜は、お世辞にも表情は豊かだとは言えないけれど、感情は豊かだ。

些細な表情の変化にも、多彩な感情の推移があり、それを読み取れる者は、茜の本当の魅力に気付く。

実際のところ、そこまで読み取れる者は、祐一を含め、ごく少数なのだが。

祐一は、今の茜の表情から、喜びと労いと微かな照れを見て取った。

思わず、祐一も微笑を浮かべてしまう。

それは、幸せそうな微笑だった。





「さて、これからどうする?」


祐一が、時計を見ながら言う。

時刻は午後5時半。

正味7時間の勉強で、宿題の大半が片付いたわけだ……これは凄いことなのではないだろうか。


「そうですね……大分涼しくなってきましたし、ワッフルでも食べに行きましょうか」

「ん? ワッフルなら俺が買ってきただろ?」

「それは“おみやげ”ですよね?」


微笑んでいるのだが、目は違う何かを訴えている。


「……勉強をみてくれた“お礼”に、ワッフルを奢らせていただきます」

「そうですか、ありがとうございます」


そう言った茜の瞳には、確かに喜びの色が映し出されていた。










「おぉ、相沢と里村じゃないか」

「おぉ、折原と長森か」


茜と2人で山葉堂へと向かっていると、瑞佳と並んで歩いている浩平に、ばったりと出くわした。


「こんにちは。どこ行くの? 2人とも」

「はい、今から山葉堂にワッフルを食べに……」


茜の返事を聞いて、浩平も瑞佳も、少し表情が引きつる。

何を思い出しているのだろうか?


「ま、まぁ、楽しんでこい」

「……で、お前らはどこ行くんだ?」


少し恨めしげな視線を送った後、祐一が浩平達に尋ねる。


「あ、私達はちょっとお買い物だよ」

「また猫グッズが増えるんだよ、早い話が」


どこかからかうような浩平の声。


「浩平が買ってくれるんだもん」


本当に嬉しそうな瑞佳の声。


「ははぁ……お前、長森に宿題を教えてもらってたんだな?」

「な……なぜそれを……?!」


ずざざ……と、後ずさる浩平。

その顔には、やや動揺が浮かんでいる。


「なに、簡単なことだ。俺も同じ境遇なんだからな」


祐一が無意味に胸を張る。


「なるほどな……そういうことか。ならば、お前も片付いたんだな?」

「当然よ。明日以降、覚悟しておくんだな」

「望むところだ!」


夏の暑い盛りに、これまた無意味に熱く燃え上がる2人。

だが、燃え上がるのが早ければ、鎮火するのも早かった。


「祐一、日が暮れてしまいます。行きましょう」

「浩平もだよ。早く行かないとお店が閉まっちゃうんだから」


2人の空気を無視して、茜と瑞佳が、彼らの腕をがしっと掴む。

そのまま、ずるずると引き摺られるように、祐一と浩平が、茜と瑞佳に連れられていく。

傍から見れば怪しい光景だったが、幸い他には誰もいなかった。


「折原ー、生きて帰れよー」

「相沢ー、どっちかって言うと、お前の方が危険だぞー」

「祐一……意味がわかりません」

「何バカなこと言ってるんだよ、浩平」


呆れたような声が、まだまだ明るい街の中と、彼らの心に染み入った。










所変わって、山葉堂。

お決まりのモノを選び、お決まりの場所で食べる。


「祐一はいつもコーヒーだけですね」

「甘いモノは苦手だからな」


それもブラック……茜には信じられないことだ。

しかしそれ以上に、コーヒー“だけ”ということが信じられない。

このワッフルの良さがなぜ理解してもらえないのか……


「茜はいつもワッフルだな」

「大好物ですから」


茜の目の前には、蜂蜜練乳ワッフル。

漂う香りも、それがかなり甘いモノであることを教えてくれる。

そして、実際に甘い。

ある意味、甘党への挑戦か、と思うほどに。





「こんなにおいしいのに……」


ぱく……と、小さくワッフルを齧る。

口の中に、ほのかに甘味が広がる。

柔らかいこの甘さが、茜は好きだった。


「こればっかりは体質みたいなもんだからなー……」


ずっ……と、コーヒーを口に含む。

口の中に、ほのかに苦味が広がる。

深い味わいをもつこの苦さが、祐一は好きだった。





「今日こそ、一口だけでも食べてみませんか?」

「や、遠慮しとく」


いつも通りのやりとり。

茜が祐一にワッフルをすすめ、祐一が断る。

今までに、何度も何度も繰り返されてきた会話。

いつも通りの会話。


「……そう言わずに」

「いや、ムリだって」


けれど、茜も食い下がる。

これは最近になって加わった会話。


やっぱり、共有したいから。

その味わいも。

そこにある思い出も。

せっかく2人なんだから。

2人でいられるのだから。

だから……


「そうですか……」

「悪いな、茜」


ここまでは、それでも、いつも通り。

茜が小さくため息をつき、祐一が少し申し訳なさそうに謝る。

いつも通りの会話。

いつもは、ここで終わり。

今までは、ここで終わり。















――カタッ――


茜が、また一口ワッフルを齧ると同時に、席から立ち上がった。

祐一が、少し怪訝そうな顔になる。

今は他に誰もいないし、それ故、誰にも見られたり咎められたりすることはない。

それでも、口に何かを入れたまま立ち上がるなんて、褒められたことではない。

そんな祐一の表情にも構わずに、座っている祐一の横に、淀みのない動作で歩み寄る。


「……?」


祐一はますます当惑を深めているようだ。

祐一は座っている。

茜は立っている。

身長の関係で、いつもは祐一が茜を見下ろす格好になっているのに、今はそれが逆転している。


――スッ――


茜が見下ろしていたのは、ほんの一瞬。

続いて、少しだけ身をかがめ、目の位置を、祐一より若干高い程度にする。

茜は、両手を自分の背中の後ろで軽く組んでいる。

表情は、少し楽しそうなものに見える。

ほんの少し……ほんの少しだけ、祐一が茜を見上げるような体勢。

間近で見る祐一の瞳には、まだ困惑の色しか見られない。





と、茜がそっと目を閉じる。

祐一が、茜に問いかけようと口を僅かに開いた瞬間……


――…………――


祐一の目が、一瞬大きく開かれる。

何かを言おうとした口は、けれど、何も発することはできない。

だって、塞がれているから。

他ならぬ、茜の唇によって。


「…………」

「…………」


無言の時間。

無言の空間。

けれど、時が止まっているわけでもないので、祐一の五感は、正確に眼前の情報を、祐一の脳に送る。



亜麻色のさらさらとした髪。

長く綺麗な睫毛。

一種の造形美を思わせる眦。

微かに紅潮した頬。

僅かに口元にかかる呼吸の欠片。

鼻腔をくすぐる甘い香り。

それらが、祐一の脳髄を溶かしてゆく。

そして、思考も緩慢になっていった。



これまでにも幾度となく行ってきたことだったが、どうにも慣れない。

決して、慣れたりはしない。

その度に、あるいは新しい何かを発見し、あるいはその魅力を再認識し。

その度に、そして、幸せを感じ。

まるで麻薬のように、祐一を虜にする。

目を開けていることが、何か罪悪のように感じ、ゆっくりと目を閉じようとする。





だが、閉じられつつあった瞼は、けれど、再び大きく開かれた。

その瞳は驚きに染められている。


「…………」

「…………」


そこで、茜が薄っすらと目を開ける。

その目が祐一に何かを訴える。

それを見て取った祐一は、その目を見つめ返してから、今度こそ間違いなく目を閉じた。

そして、再び茜も目を閉じる。


――…………――


それからしばらくして、祐一の喉が軽く上下する。

それを感じて、茜が上体を起こした。


「ふぅ……」

「茜……」


満足そうに微笑む茜を見て、祐一は何も言えなくなってしまう。

目が合っただけで、頬が紅潮してしまうのを実感する。

甘かった……どうしようもなく、甘かった……

口の中にまだしっかりと残る、その甘さと。

記憶にしっかりと刻み込まれた、その甘さが。

祐一から言葉を奪う。


「どうでした?」

「ずるいぞ、茜……」








あぁ、ずるい。

何ともずるい。

答えがわかっていて……俺の気持ちもわかっていて……こんな手段をとるんだから。

甘かった……俺の考えも、まだ舌に残る味も、そして、あの行為も。

悪戯っぽく笑う茜。

いつも通りのように見えて、でも、まだ少し、頬は薄っすらと紅く染まったままで。

けれど、多分俺の方が、もっと紅くなっていて。

あぁ……やっぱり俺は茜に勝てないなぁ、と、改めて思った。


情けない……これまで1度も主導権を握ったことがないじゃないか。

いっつも茜に翻弄されてる気がする。

もしかしたら、ずっとこのままなのかもしれない。

でも、それ以上に情けないのは、それでもいいか、と思ってしまっている、俺の心。

情けない……1度くらい、勝ってみせろよ。

男の意地なんて、俺にはないのかなぁ……?









「ずるいって何ですか?」


クスクス……と笑いながら、茜が聞く。

その瞳は、悪戯が成功した子供のような輝きを放っていて、茜が心の底から楽しんでいることを教えてくれる。

それを見て、祐一はふてくされたような声で喋る。


「……俺は甘いモノが苦手だって言っただろ?」


けれど、紅潮したままの頬が、祐一の言葉を、態度を、裏切っていた。

だから、茜は微笑んだまま。


「美味しくありませんでしたか?」

「……やっぱりずるいぞ、茜」


軽く睨みつけるような感じの祐一。

けれど、当然というか、茜が動じることはない。


「……祐一だけですよ? これを味わうことができるのは」

「ぅ……」


茜の頬が、また少し紅く染まる。

けれど、祐一の変化の方が顕著だったりする。


「うぅ……やっぱり、俺ってこれからもこんな感じでやられっ放しかなぁ……?」


照れ隠しか、少し愚痴を零す祐一。

跳ねるような心臓の動きが、まだ収まらない。


「そうですね……でも」


でも……否定の言葉。

何を否定するのか?

祐一の表情を見て、クスッ、とまた笑ってから、茜が付け加える。


「……これからもずっと一緒にいれば、勝つチャンスなんて何度でもありますよ」


その言葉を聞いて、祐一が表情を崩す。

まだ恥ずかしそうだけど、でも、嬉しそうに……楽しそうに……


「そっか」

「はい。で、どうですか? 甘いモノ……まだ苦手ですか?」


茜は、会心の笑みを浮かべている。

祐一の心を見通しているかのような、そんな言葉。

見透かされてる祐一に、反撃など不可能だった。


「…………例外もアリってことで」

「そうですか……では、もう一口、どうですか?」

「……もちろん、喜んで」


大地には、長いシルエットが伸びていた。

夏とは言え、そろそろ日も暮れる頃。

そんな時間になっても、2人はその場を離れなかった。

そして、再びシルエットが重なった。















里村茜は甘いモノが大好物である。

相沢祐一は甘いモノが苦手である。

けれど、何事にも例外は存在するようだ。

どうやら、こんな両極端な2人でも、何も問題はないらしい。



後日、その光景を目にしていた浩平達に、思いっきりからかわれたりするのだが、それはまた別の話。


















後書き



えと……こんにちはです、まだまだ駆け出しSS作家のGaNです。

いつもはHello Againさんのところに投稿させていただいているのですが、今回短編を書いてみたので、こちらに送らせていただきました。

とりあえず、茜ファンの人に怒られるかもしれない内容ですね、これ。

性格が、とか、何で祐一×茜なんだ? とか。

いや、何と言うか、そもそも思い立ったのは、茜が超甘党なんだなー、とか再認識したからなんですよ。

んで、浩平はそれなりに甘い物を食べられるけど、祐一は甘い物が苦手だってことに思い至り……

じゃあ、浩平じゃなくて祐一ならどうなるのかな? と考え、話が出来上がっていったって感じです。

何ていうか、浩平なら、強く勧められたら甘い物くらい食べそうだけど、祐一なら、断固として食べなさそうじゃないですか。

ネタにできるかな、と。

結局、後半部分のイベントが書きたかっただけですね、実際のところ。

途中までの部分は、ほんの少しの伏線と、説明のために書いたものです。

しかし、完全にIFの世界ですねぇ……KanonやONEの世界の雰囲気があんまり感じられない(涙)

食べ物の好みから創ったSSだから、しょうがないですけど。


にしても、正直、ここまで長くなるとは思いもしませんでした。

読んでくださった方に、お疲れ様の言葉と、ありがとうございましたの言葉を送らせていただきます。

こんなモノでも、楽しんでいただければよいのですが。

ではでは、これからのK9999さんのご活躍をお祈りして……

もし、また何か書いたら投稿させていただきますね。

それではこれにて。





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